1.目的
 昭和32〜42年にかけて実施された道前道後平野農業水利事業(当初事業)から30年あまりが経過して、面河ダムや幹線用水路等の施設の老朽化が進み、漏水等が発生してきたため、これらの箇所の補修、更新や、ゲート等操作施設の近代化を行う必要が生じました。また、社会・農業情勢の変化によって水利用の実態が変化し、新たな水需要へ対応する必要性が生じました。
 このため、平成元年度から道前道後平野農業水利事業(現行事業)に着手し、当初事業で整備された施設の改修を行うとともに、面河ダムの補給が無い水田裏作期間(10月上旬〜6月上旬)等の新たな用水確保を目的とした志河川ダム、佐古ダムの建設など、総合的な農業水利施設の整備を実施しました。
2.事業実施地域と受益面積
 事業概要図(クリックで拡大します。)
  市町名 受 益 面 積 (ha)
水田 樹園地



西条市 3,465 585.3 4,050.3
小計 3,465 585.3 4,050.3



松山市 1,908 720 2,628
伊予市 798 218 1,016
東温市 1,034 159 1,193
松前町 974 - 974
砥部町 74 310 384
小計 4,788 1,407 6,195
8,253 1,992.3 10,245.3
3.主な工事内容
(1) 施設改修工事(一期事業)

施  設

整備計画

面河ダム・承水堰

取水設備等の更新、承水堰の改修情報伝達及び施設制御装置の設置(水位・ゲート開度など)

取水施設

主要施設に情報伝達装置の設置

水 路
(サイホン改修)

老朽石綿パイプ、PC管をダクタイル鋳鉄管に取替え
漏水サイホンの布設替え

流量計の取替え
安全施設の設置(フェンス等)

暗 渠

不等沈下箇所の改修

ゲート・バブル

手動式を電動化(取水工、分水工、土砂吐)

調整池

新池調整池、通谷調整池、横谷調整池の整備

(2)新たな用水確保のための工事(二期事業)
ア.志河川ダム
志河川ダムは、
@道前平野の面河ダムの補給がない期間(10月7日〜6月5日)における水田裏作用水A面河ダムの受益外である東予市河北地区の水田用水の確保
を目的として、丹原町の志河川に建設するダムです。
 平成11年度から水没する町道の付替道路工事に着手しており、平成16年度ダム本体工事着手、平成19年度に工事が完了しました。。

位 置

周桑郡丹原町大字志川地先

堤長幅

     4.8

河 川

2級河川 中山川水系志河川

堤頂標高

EL138.2

基礎岩盤

三波川変成帯緑色片岩,黒色変岩

流域面積

    17.2 km2

ダム型式

重力式コンクリートダム

満水面積

    0.1 km2

堤 高

    48.2

総貯水量

1,300千m3

堤 長

   117.0

有効貯水量

  960千m3

堤体積

   60千m3

施設区分

農業用水専用施設,新設

イ.佐古ダム
 佐古ダムは、道後平野の面河ダムの補給がない期間(10月7日〜6月5日)における水田裏作用水の確保を目的として、重信町の佐古川に建設するダムです。
 平成14年度までに、佐古ダムに関する工事は完了しています。

位 置

温泉郡重信町大字下林地先

堤長幅

     4.0

河 川

1級河川 重信川水系佐川川

堤頂標高

EL147.0

基礎岩盤

砂岩,頁岩互層

流域面積

     4.1 km2

ダム型式

重力式コンクリートダム

満水面積

     0.1 km2

堤 高

    31.0

総貯水量

1,110千m3

堤 長

   210.0

有効貯水量

1,020m3

堤体積

   63千m3

施設区分

農業用水専用施設,新設

ウ.揚水機
項目
名称

位 置

水源名

揚  程

揚  水  機

備考

全揚程m

実揚程m

揚水量(m3/s)

口径
(
mm)

台数

横谷調整池揚水機

松山市食場町

中山川
ダム

135.5

106.3

0.12

φ250

2

新設

エ.用水路
項目
名称

総延長(km)

改修又は新設延長(km)

構造

勾 配

主要構造物

備考

総延長

開渠

その他

志河川幹線水路

2.1

2.1

0

2.1

管水路

1/131〜1/322

水菅橋 2ヶ所

新設

 
4.工期  
平成元年度〜19年度
5.事業主体
農林水産省(中国四国農政局道前道後平野農業水利事業所)
 
道前道後平野農業水利事業(現行)
〜未来に架ける「虹の用水」〜
と  き
地を越え世紀を越え